わたしと食の繋がり

子どもの頃から小柄で小食な私は
食べることに関心の薄い子どもでした。

特に食べ物の好き嫌いはありませんでしたが、たくさん食べることは難しく


給食の時間には、いつもみんなが掃除をする中、後ろで最後まで残って給食を食べているような子でした。


いつからか、食べることは楽しみというより

『食べなければいけない』


という義務ようになっていました。

 

そんな私がなぜ管理栄養士になろうとその道を進んだのか未だに謎です。


でも、食について学んでいなかったら、今頃毎日家族にまともに料理もしてなかったかもしれません…


そう思うと、私にとって

食について学ぶこと


は必要だったのでしょう。



約30年、生きてきた中で、

振り返ってみると


糖尿病から透析に移行し、厳しい食事療法をしていた祖父を何年も見て育ち


突然の急性膵炎にかかり、1年間私自身も食事療法をし、
(肉、脂なしの生活)

その後の数年間、膵炎の再発を恐れながら暮らす


その数年後には、とても悲しい出来事が起こり、味覚を失い、食べれるけど味を感じない経験もした


そして、仕事では、透析をされている患者さんの栄養相談に携わる中で

『なんでも食べれるって当たり前のことではなくて本当に幸せなこと』



長い間、私にとっては、食事は食べなければいけないと義務のような時間でしたが、

いろいろな経験から学び、よくやく

食べれるということは、健康なカラダとココロがあってこそ、幸せと思える。  


自分の健康なカラダとココロに少しずつ感謝が芽生えてきました。


そして、現在。


長女の超偏食を通してまた食と向き合っています。
長女の自我の芽生えとともに始まった超偏食。


管理栄養士になるために学んできた知識。

『子育てで活かせる』とはりきっていたものの


この知識は、娘には全く通用しませんでした。


学んできたことは、私の中の物差しになり、
『これを、こんな風に、これくらい食べなければいけない』


何1つその教科書通りに進まない娘の食事はは、


私をどれほど苦しめてきただろう。


正しい知識だけでは、うまくいかないこともある。



正しさだけでは心に寄り添うことはできない。


そもそも正しさなんて、きっとひとつではないのかもしれない。



3年間、なんどもなんども怒り、悲しみ、涙を流し、娘と暮らす中で、


少しずつ娘から忘れていたたくさんの大切なこと、物事の本質を教えてもらっているような気がします。



学んできたこと、やり方が自分たちにあうとは限らない。

自分たちに合うやり方でやってみよう。



偏食を治す!と奮闘していた頃の私は、いつも鬼のような顔をして、戦っていました。


食べれない娘を、そして、私の作るごはんがダメなんだ!とずっと私を否定していました。



結果、私も娘もボロボロになり、当時は『もう無理』という諦めから偏食を治すことをやめました。



でも、今振り返ると、これが私たちにとって、良い方向に進むきっかけになったのかもしれません。


娘の欲するものを尊重することは、いつも怖さを伴いました。
(1日に大量のジュース、白米のみの食事)


でも、怖さを抱えながらも

偏食を治すではなく、
娘のことをもっともっと知ろうとして、寄り添うことで


娘との信頼、私たちの笑顔を少しずつ取り戻せてきました。

ようやく取り戻した食事中にみせてくれるこの笑顔は私を今1番幸せな気持ちにさせてくれる大好きな顔です。


1番しんどい頃、リアルタイムに記録しておけたらよかったのかもしれませんが、


当時は全てを投げ出したかった、心身ともに疲れ果てて、偏食について考えることもしたくなかった。


今ならやっとことばにすることができる。


当時、ネットを読みあさっても、
偏食を治す方法などは、よく目にしたけど、なかなか同じような悩みをシェアされてる方もいなくて、
誰ならこの気持ちをわかってくれるんだろう?


本当に孤独だった。  


当時、私が欲しかったのは、
『偏食を治すためのたくさんのアドバイス』よりも

『大変だよね。わかるよ!』


『お母さんも娘さんもどっちも悪くないんだよ』


『2人とも十分頑張ってるよ』


ということばだったのかもしれない。


今まさにお子さんの超偏食と向き合うお母さんにとって、わたしが伝えれることはなんだろう。


管理栄養士といえ、偏食を治すことはできない。
  
小さく刻んでや好きなものに混ぜてなんて通用しない。

この頑固な超偏食には、正直お手上げだ…笑

でも、今後管理栄養士として、食育に関わることがあるとしたら、

偏食に悩むお母さんやお子さんの気持ちに寄り添える管理栄養士でありたい!と強く思う。


そして、2歳になり、自己主張が強くなってきた息子も、やや偏食傾向がでてきている。


でも、もう娘と同じようなことを繰り返さないと自分自身に何度も何度も言い聞かしている。


私にとって、『食』とはいつも向き合うべきテーマなのかもしれない。


『ちゃんとした食事にしなきゃ!』をやめた管理栄養士。超偏食の娘が教えてくれてる本当に大切な食事とは〜

『ちゃんとした食事にしなきゃ!』をやめた管理栄養士。超偏食の娘が教えてくれてる本当に大切な食事とは〜

ママは管理栄養士。その子どもたちは超偏食だった。 世間で正しいと言われるちゃんとした食事(カロリーや栄養素など)を伝えることが仕事だった私。その知識は全くわが子に通用しなかった。 そんな日々に悩み、そこからたくさんの気づきをもらっている真っ最中。そしてその記録 『食育』で育つのはカラダだけじゃなかった。 カロリーや栄養素よりも大切なことがあった。

0コメント

  • 1000 / 1000