わが家の新たな食育 〜五感を育てる時間〜

以前、病院で病気と向き合う患者さんに食事のお話をする中で、『◯◯制限』がいつも軸にあって


これを伝えて、


ほんとは欲しいのに、我慢して苦しそうな姿

我慢できなくて食べて、自分を責める患者さんをみるのが


とても心苦しく、病気になる前から気をつけることができたらいいなと思い


『薬膳』(予防医学)を学んだ。

薬膳って聞くとみんな、


こんなイメージをもつみたいで
(私もはじめはそうだった)

ハードルが高いってよく言われるんだけど

『ココロとカラダをどちらも大切にする』

『ひとりひとりみんな違っていて、それでよくて、みんなにいい食事ではなくて、自分をもっと知り、自分にあう食事や生活をする』


『変化を楽しみ、自然とともに大切に生きる』


薬膳のこの考え方がとても大好きです。

薬膳で学んだ考え方は、

娘の超偏食を受け入れれなかった私自身のココロを楽にしてくれたもののひとつで

だから伝えていきたいものではあるけど

生薬を使った難しい料理を教えたいわけではない。

ということが薬膳講座を二回やってみてわかった。


やってみて気づけることはたくさんある。

だから、この一年は

『自分が何ができて、何がしたいのか』

を見つけたいと思っていたから

声をかけてもらったら、できるかわからないけどとりあえず何でもトライしてみようと思ってる。

でも、何度か声をかけてもらってもどうしてもできる気がしなくて

やりますと言えなかった分野。



『食育』




だって、

世間の子どもたちがどんなものを食べてるのかわからないし

普通に食べてる話しを聞くと、やっぱりうちの子はおかしいのかな?ってまだまだ不安になるし

『うちの子、食べ過ぎなんです』って聞くと食べない子を育ててる私としては、
その人にとっては悩みでも正直羨ましいとさえ思っちゃうし


何よりも『自分の子どもの食事もまともにできてない私が相談なんて乗れるわけがない』

そう思ってた。


食育について調べると




バランスよく食べること


朝ごはんを食べること


食べ物に感謝すること


みんなで一緒に食べること


必ずでてくるキーワード。


このキーワードが私はずっとずーっと苦しかったから。


うちの子は朝が苦手で、
朝ごはんはほとんど食べないし
(私もそうだったし、今でもそう)

バランスなんて全くとれてない超アンバランスな食事だし


自発的に食べることは少しずつ増えてはきたけど、

『食べなさい』って言われて食べさせられて、
食べ物に感謝どころか食べ物は敵かのごとく『こんなのいらない』なんて言っちゃうし


ごはんの時間が嫌で、走り回る子どもを追っかけるのに必死でみんなで一緒に食べるなんて全然できない。

だって、落ち着いてあとで大人だけでゆっくり食べれる時間が唯一ホッとできる大切な時間だし、

疲れて帰ってきた旦那さんにもできればゆっくり落ち着いて食べさせてあげたい。


こんな私が管理栄養士として食育の依頼を受けて、

『何を伝えれる!?』


何事もないようにここに書いてあることを

淡々と伝えることはできるかもしれないけど

それは、絶対にやりたい仕事ではない。

考えれば考えるほど、
私にできる『食育』の仕事なんてなかった。


だから、ずっとずっと『子どもの食』に関するお仕事は絶対にしないと決めていた。


でも、同じように子どもの偏食で悩む発達障害のお子さんを育てるお母さんたちのママカフェの栄養相談の仕事をさせてもらった時


私と同じように

『できなくて悩んで自分を責めてるお母さん』って結構いるんだなって印象をうけた。

そして、共感してもらえるってことがどれほどココロが救われることなのかを知った。


できなくて悩んで、相談に行ってる時に

十分わかってる知識を聞かされるよりもこの気持ちをわかってくれる人がいたらいいのかな。


それなら私にもできるかな。

やっぱり食育もみんな同じでなくて

食べるのが当たり前にできる子には、栄養バランスよく食べることの大切さ。

食べるのが苦手な子にはそれに合わせた柔軟な食育をできるといいよね。



ママカフェを終えて、今回、初めて『食育』の仕事を受けてみようかなとふと思えた。


私が今、無理なく伝えれること。


なんなんだろう。

とずっとずっと考えてた。

その時、やっとひとつわかったことがある。



『何をいつどう食べるか』という食育ももちろん大切だけど


『食事は五感を育てることのできる最高の時間である』ということ



食べさせることに必死で気づいてなかったけど、

食事から学べることっていっぱいあった。


初めて見る色との出会い

初めて嗅ぐにおい

柔らかい、硬いっていう感触

冷たい、熱いって感覚

食器の音 

子どもにとっては『はじめて』との出会いがたくさんある時間。

例え、食べれなくても学べることっていっぱいあった。


どうやって食べさせるかばっかり考えて

こんなこと考えたこともなかった。

そして、食べさせるをやめて、『食べれないことを個性として認める』ということで気持ちを着地していた。


ずっとずっと憎かった『食育』

目をそらさずに、向き合おうとしたことで

大きな大きなことに気づけたよ。

『食べない食事を作ることは無駄なことをしてるみたい』

『食べないから食べるものだけだしたらいい』

お互いに苦痛に感じてた食事の時間

『五感を育てる時間』ってシフトしよう!!つて思ったらその時間を子どもたちと楽しい時間にできそうな気がしてきた。




『ちゃんとした食事にしなきゃ!』をやめた管理栄養士。超偏食の娘が教えてくれてる本当に大切な食事とは〜

ママは管理栄養士。その子どもたちは超偏食だった。 世間で正しいと言われるちゃんとした食事(カロリーや栄養素など)を伝えることが仕事だった私。その知識は全くわが子に通用しなかった。 そんな日々に悩み、そこからたくさんの気づきをもらっている真っ最中。そしてその記録 『食育』で育つのはカラダだけじゃなかった。 カロリーや栄養素よりも大切なことがあった。

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